会社法務corporatelaw
経営者が企業を運営していくのに,その組織を適正かつ効率的にコントロールすることが不可欠です。もちろん,自ら一人が経営者として,人を雇い,個人企業として経営を行うこともできます。しかし,経営者という立場にある人が複数いるとき,あるいは出資者がいるときには,個人として経営するのではなく,1つの組織を作り上げ,その組織を動かしていく必要があります。通常,現在の「会社」では,出資者である株主と,経営者である取締役との関係を中心に,企業の運営という1つの目的のため,立場の異なる多くの関係者が関与しています。そこで,これら関係者がどのような役割を果たすべきか,というガバナンスが重要な経営課題となっています。
また,経営者と出資者との関係は,ときに対立的になることもあります。そこで,双方の立場から,会社という組織に様々なアプローチで関与し,相互に牽制していくこととなります。
このように,会社の組織に関わる問題は,利害が対立する可能性をはらむ取締役と株主との関係を基礎として,高度に法的な問題を含んでいます。ですから,会社という組織を動かすのに,弁護士の関与を避けて通ることはできません。取締役会の位置づけその他の機関設計,株主との関係構築,会社の組織の変更,事業承継など,会社の組織にまつわる法的課題は尽きません。
マーブル法律事務所では,機関設計等の紛争予防的業務から,取締役の責任追及,取締役の解任といった経営の根幹に関わる紛争処理まで幅広く取り扱っております。
目次contents
- specialized会社法務について
- effect弁護士に依頼する意味について
- actionご相談,ご依頼の流れと料金について
- more knowledgeQ&A:会社法務についてもっと知りたい方のために
会社法務について
機関設計・ガバナンス
現在の会社法は,あらゆる会社について,様々な機関設計を行うことが可能となっています。取締役,監査役といった従来からある機関だけでなく,執行役,会計参与といった新しい機関が次々と導入されています。ガバナンスの形態についても,取締役会設置会社,委員会設置会社,監査等委員会設置会社といった様々な形態が用意されています。
また,取締役会の運営や取締役としての種々の行動についても,法的な問題点があるのか否か,どのようにすれば法的問題点をクリアすることができるのか,を判断していかなければなりません。
株主対策
株主との関係は,会社法務の中で最も重要な位置を占めています。出資者である株主は,最も重要な会社の関係者であり,経営に関与する種々の権利が認められています。取締役などの経営陣は,こうした株主の権利の行使に適切に対応しなければなりません。他方,株主としても,経営陣に問題があると判断する場合には,株主としての権利を適切に行使していく必要があります。
株主の権利として,会社法上,取締役の責任を追及する株主代表訴訟,取締役の違法行為の差止請求,計算書類,会計帳簿等の閲覧請求権など種々のものが規定されています。また,株主と取締役との関係を決定する起点となる株主総会は,双方にとって最も重要な場となり,ここでどのように対応すべきかということも重要な問題です。
株式・新株予約権発行
あらたに株式を発行する場合,純粋に出資を得る目的である場合と,会社の支配権に何らかの影響をもたらすことが目的である場合とがあります。いずれにしても,違法な株式発行は差し止めの対象となっていますから,その適法性は慎重に検討しておく必要があります。
事業承継・M&A
会社の組織変更は,会社の再建,業務の拡大,あるいは次代への事業承継など様々な目的で行われます。会社法上,複数の会社が1つの会社となる合併,ある会社の一部門を独立の会社とする会社分割といった様々な方法が定められており,複雑な法規制が定められています。他に,事業譲渡,株式の取得などの方法を用いた経営統合の方法もあります。
いずれの方法も,経営統合の場合には,相手会社の財務,法的リスクの存在の有無などを確認しておく作業が必要となります。また,手続が長期にわたるため,基本合意書の締結から,実際に実行されるまでには,何回もの法的なドキュメントの作成が必要となります。こうした手続をスムーズに進め,後のリスクを最小限とするには,弁護士のアドバイスが不可欠です。
弁護士に依頼する意味について
中小企業では,こうした会社法上の手続は,全て社内で行うか,司法書士,あるいは税理士の助言をもとに行うことが多いのではないかと思います。しかも,従来の弁護士の中には,会社法上の細かい手続については,専門的知識がなく,司法書士や税理士に聞いた方が適切な回答が返ってくるということもあったかもしれません。
しかし,会社法上の紛争が増大していることからすると,そうした紛争解決をも視野に入れた助言が必要となってきます。会社法上適法か否かという点では,司法書士から有効な回答を得られるはずですが,さらに,紛争を未然に防ぐため,あるいは一定の目的を達成するため,どういった手段が最適なのか,を判断するには,弁護士への相談,以来が最善なのです。
マーブル法律事務所では,株主総会指導,株式発行について,譲渡制限株式の譲渡承認請求,定款変更,その他株式,取締役,その他会社法の組織にかかわる,あらゆる相談に応じています。
実際に,取締役間での対立,あるいは株主と取締役等経営陣との対立などが発生した場合,すみやかに弁護士に相談する必要があります。会社内部での対立は,安定した経営の妨げとなりますし,取引先や,顧客へ悪影響を及ぼす場合もあります。取締役の解任請求,株主総会での取締役選解任の争い,取締役への損害賠償請求,その他様々な紛争,訴訟等が行われます。これに対し,会社側,あるいは取締役個人の代理として弁護士へ依頼することは不可欠です。
マーブル法律事務所では,こうした紛争解決の場面で,会社側,あるいは取締役個人を代理して対応することが可能です。通常訴訟等を日常業務としている個人事務所だからこそ,こうした紛争解決の場面で強みを発揮することができます。
会社法務については,規模の大きな事務所に依頼した方が良いと考える方もおられるかもしれません。しかし,規模の大きな会社のデューデリジェンス等であれば別ですが,一人の弁護士で十分対応することができます。上場手続,種類株式発行等についても,個人事務所で十分対応することができます。
個人事務所が会社法務を扱うメリットは,まず何より,費用が安価であることです。大規模な事務所では,多数のアソシエイトを雇い,それら弁護士の時間報酬をも弁護士報酬の対象となります。そして,それだけのアソシエイトに調査してもらう必要がある事案なのかどうか,依頼者には判断できません。マーブル法律事務所では,現在,弁護士一名で業務を行っており,こうした余分な費用を抑えることができます。また,一人の弁護士が相談を聞き,検討し,判断を行うため,依頼者の相談内容と,弁護士の検討内容との齟齬が生じません。
なお,大規模な事務所の方が豊富な経験,専門性があり信頼できるとの考えもあるかと思います。経験の蓄積という面では,そのとおりかもしれません。しかし,会社法務の専門性は,経験のみに由来するものではありません。最も重要なのは,生じうる問題点,紛争についてどれだけ予測できるかという想像力です。実際,規模が大きい事務所であろうが,個々のアドバイスを行うのは弁護士一個人なのです。
弁護士へのご相談,ご依頼について
弁護士への正式な依頼
株主総会指導
事務手数料32万4000円
株主総会への立会い,想定問答の準備など,株主総会実施にあたっての助言指導を行います。
株式発行等
事務手数料32万4000円~
株式発行その他の会社法上の手続について助言を行います。
訴訟
前代表取締役に対する損害賠償請求,株式発行の差止め,その他会社の組織に関わるあらゆる訴訟に対応します。
着手金10万8000円~(請求額に対する歩合により算定します。)
300万円以内 | 8% |
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300万円以上3000万円以内 | 5%+9万円 |
3000万円以上3億円以内 | 3%+69万円 |
報酬金歩合(経済的利益の額に応じた歩合により算定します。)
300万円以内 | 16% |
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300万円以上3000万円以内 | 10%+18万円 |
3000万円以上3億円以内 | 6%+138万円 |
顧問
月額5万4000円のプランでは,毎年1回の株主総会指導が含まれています。また,ガバナンスについての相談は,継続的に相談を受けることで,個別の問題が生じた際,迅速な対応が可能となります。